インディペンデンスデイ リサージェンス

 先日、映画インディペンデンスデイ:リサージェンスを観てきました。

 1996年の映画インディペンデンスデイの続編になります。この前作は映画館では見逃してレンタルビデオ(当時はVHS)で観ました。ストーリーも割と単純明快なアメリカのヒーローがエイリアンの侵略から地球を救うB級な内容でワクワクしながら見入っていたのを憶えています。ウィル・スミスの出世作でもあります。今回続編が公開されると聞き懐かしくなって観に行きました。

 観終った感想は、”映像は凄い!”⋯⋯です。前作から20年経過していることもありCGや映像技術の進歩が半端ないとは思いました。(前作では一部のシーンにミニチュアが使用されていたらしいね)が、そこで終わってしまったという感じがします。ストーリーや世界観の作り込みがやや杜撰というか手抜き感が感じられました。

 まず、映画の世界ですが、人類は20年前に来襲したエイリアンの技術を活用し大幅な科学文明の進歩を遂げたことになっています。重力制御の航空機や太陽系の惑星に基地を設置したりSFチックな世界ですが、一方で現行のランクルがアフリカで普通に走っていたりしています。また今回来襲したエイリアンの船はの大きさはどう見ても地球の表面の10分の1ぐらい覆っているんじゃないかというレベルでこんなんが地球に接触した時点で津波地震と衝撃波で人類全滅なんじゃないの?と思います。

 ストーリーについてはなんだか前作の単なる焼き直しという印象を受けます。1人の勇敢なパイロットが特攻したり敵艦に侵入して戦ったり世界中の軍人や学者などが協力し合ったりとか⋯。砂漠をトレーラーやトラックで避難するシーンもデジャビュを感じる。前作で登場したビル・プルマンジェフ・ゴールドブラム、ジャド・ハーシュらも出演していたけどイマイチ存在意義がわからなかった。監督は彼らを使って何がしたかったんだろう?ウィル・スミスはギャラが高すぎて出演しなかったけど出なくてよかったんじゃないかな。若い俳優陣も新しい世代のヒーローとしての存在感もイマイチ演出しきれておらず何だか中途半端な活躍ぶりでした。エイリアンについてはラスボスの女王があれだけの規模の先進のテクノロジーを誇る侵略軍のボスでありながら全く知性を感じさせない獣だったのにはがっかりでした。後、中国市場を意識してか、中国人の役者さんがところどころ出ていましたがハリウッド映画に中国資本がずいぶん食い込んでいるのかなと想像します。『オデッセイ』を観た時も思いましたが、無理やり中国を絡ませようという意図が透けて見えてちょっと引きますね。ちなみに1996年の前作では日本の航空自衛隊がエイリアンへの一斉攻撃開始のシーンでちょい役で出ていました。あれから20年経ち現実の世界における日中の存在感が逆転してしまったと痛感します。

 本作は迫力のある映像を楽しみたいという人には楽しめるかもしれませんがそれ以上のものではないと思います。したがって観るなら映画館がおすすめです。